現在取り組んでいる研究の概要(令和7年度)
令和7年度(2025年度)
食品コスメ部
佐賀県産酒のブランド力を目指した技術体系構築
(研究期間:令和5年度(2023年度)~令和7年度(2025年))
佐賀県の酒類業界では「佐賀県原産地呼称管理制度」や清酒の表示として国税庁から指定を受けた「GI佐賀」などを活用し、佐賀県で製造された酒類の地域ブランドの確立に取り組んでいます。
本研究では科学的見地から地域ブランドの確立を支援するため、佐賀県工業技術センターが頒布している佐賀酵母や県産原料の特徴的成分の探索を、県産酒の官能評価と各種機器分析による解析に取り組むことで、県産酒の地域ブランド力向上に資する技術体系の構築を目的としています。
次世代美容機能を有する化粧品原料の開発
(研究期間:令和6年度(2024年度)~令和8年度(2026年度))
佐賀県では、コスメティック構想の推進しており、化粧品関連企業の誘致や地域素材の活用などを進めています。なかでも天然資源を活用した化粧品原料開発には多くの企業が関心を寄せています。
本研究では、化粧品業界で求められている”化粧品トレンド”に沿った美容効果をもつ化粧品原料の開発を試みます。
佐賀県資源の新産業活用を目指した機能性飼料素材の開発
(研究期間:令和7年度(2025年度)~令和8年度(2026年度))
サステナブル社会の実現に向け、未利用資源の活用が進む中、佐賀県の特産品であるイチゴの葉の部分は、高い抗酸化性や栄養性を持つものの、食履歴がないため、化粧品素材としての一部の活用に留まっており、多くは廃棄されています。
一方、ペットフードや水産飼料市場では、機能性飼料の需要が高まっていることから、イチゴ葉をはじめとした未利用資源がペットや水産物の成長や健康に与える影響を調査し、機能性飼料としての可能性を検討し、将来的な実用化を目指します。
材料環境部
環境に優しい水性塗料用紫外線吸収剤に関する研究
(研究期間:令和5年度(2023年度)~令和7年度(2025年度))
環境問題は世界的な課題であり、塗料分野ではカーボンニュートラルへの対応として、揮発性有機化合物(VOC)排出量の少ない水性塗料への移行や植物由来原料の利用が求められています。
塗料には、性能向上のために様々な添加剤が含有されており、その中でも紫外線吸収剤(UVA)は水性クリア塗料の耐候性向上に高い効果を有することが知られています。
本研究では、より低環境負荷の水性塗料用UVAについて、新たな利用技術の開発を行います。
大気圧プラズマ表面処理の製造工程適用技術の開発
(研究期間:令和7年度(2025年度)~令和9年度(2027年度))
これまでに、真空装置不要の大気圧プラズマ処理技術による材料の表面処理技術を開発し、企業の製造工程への実装に取り組んできました。その結果、多数の対象物を一度に処理する必要性や、対象物の形状、材質、特性に応じてプラズマ処理をカスタマイズする必要性があることが分かりました。
そこで本研究では、大気圧プラズマ処理技術が多様な企業の製造工程で利用できるよう、対象物や用途に応じてカスタマイズするための要素技術の確立に取り組みます。
金属製品の長寿命化を目的とした切削加工法-DEM法-の実用化研究
(研究期間:令和7年度(2025年度)~令和9年度(2027年度))
これまで、機械加工時に生じる表面変質層を利用したステンレス鋼製品の強度や耐久性を向上させる加工技術として、DEM法(Durability Enhancement Machining法)の検討を行ってきました。その結果、DEM法はステンレス鋼製品の疲労強度、耐SCC性、耐摩耗性を向上させる効果があることが明らかとなり、長持ちするものづくり技術としての可能性が示されました。
そこで、DEM法を製造現場で汎用的に利用できる加工技術としてさらに発展させるため、様々な製品形状や鋼種、加工機の変更等への対応について実験的に検討を行い、実用化を目指します。
生産技術部
データ解析による生産設備の保全に関する研究
(研究期間:令和6年度(2024年度)~令和8年度(2026年度))
製造業において生産設備の劣化による不具合は避けられない現象であり、一旦装置が故障すると生産計画に大きな影響や損失が生じてしまいます。 従来、熟練技術者が装置の稼働音や振動を感じるといった官能評価によって不調を捉えていましたが信頼性・再現性に課題がありました。また、人手不足や技能伝承問題が深刻化し、属人的な保全が困難になっており、AIなどを活用した自動化が急務となっています。
本研究では、IoTセンサを用いて収集した生産設備の稼働データに基づき異常状態の兆候を検知し、装置の故障・劣化予測を行う解析技術の研究・開発を行います。また、クラウドを活用することで、保守作業や保全のリモート化を支援するシステムの構築に取り組みます。
多波長近接場光を用いた工具刃先位置の非接触ナノスケール検出に関する研究
(研究期間:令和7年度(2025年度)~令和9年度(2027年度))
光学製品の金型や半導体製造装置の部品などを高精度に加工するために用いられるNC加工機では、摩耗等により工具先端の高さ位置(工具長)が随時変化するので、工具先端の高さ位置を正確に検出し、加工前に位置補正をする必要があります。しかし、既存の接触式測定では工具先端を破損させる恐れがあり、非接触式測定では繰り返し検出精度に課題があります。そこで本研究では、多波長レーザ光による近接場光を用いて、光学的非接触でナノスケール精度の工具先端の高さ位置を検出および数値化する手法の確立を目指します。
諸富デザインセンター
家具商品開発における生成AIの活用手法に関する調査研究
(研究期間:令和7年度(2025年度)~令和8年度(2026年度))
AI技術の進歩により、グラフィックデザインや商品開発の分野においても、多様な生成AI技術やツールの活用が始まっています。一方で、県内の家具製造業では商品開発に係る3DCADやCGなどのデジタルツールを使いこなせる人材不足も課題の一つとなっています。そこで、家具の商品開発力向上や効率化につながる生成AI関連技術やデジタルツールに関する情報および活用手法等を調査し、家具業界への普及に取り組みます。
研究企画部 TEL:0952-30-9398 E-mail:skougi@saga-itc.jp

















