材料環境部

金属や高分子などの材料や表面処理などに関する試験研究や技術支援を行っています。特に、サーキュラーエコノミー(循環型経済)やカーボンニュートラル(脱炭素)等に対応するため、環境技術(低環境負荷や長寿命化)を意識した研究に取り組んでいます。

研究などで得られた工業化学や材料技術の知見を基に、県内企業の皆様の開発から品質管理までの様々な場面で技術支援を行っています。化学・材料に関する観察・分析・測定・試験などの機器を保有していますので、お気軽にご相談ください。

対象技術分野

 対象技術分野のイメージ図(基盤技術、環境技術、工業化学、材料技術)

主な技術支援

  • 材料分析(元素の同定、分子や化学組成の構造解析)
  • 環境試験(温度・湿度サイクル試験、塩水噴霧試験、複合サイクル試験、促進耐候性試験等)
  • 工業材料の機械的性質(引張・圧縮・曲げ・硬さ)、金属組織、組成等の評価
  • 金属材料の破損解析
  • 表面改質(大気圧プラズマ等)技術
     →紹介チラシはこちら (535KB; PDFファイル)
  • ライフサイクルアセスメント(LCA)
  • 市場トラブルを未然に防止するロバストパラメータ設計(品質工学)

 走査電子顕微鏡の写真 X線マッピングの写真

走査電子顕微鏡(SEM) / X線元素マッピング

 大気圧プラズマの写真

金属材料の曲げ試験 / 大気圧プラズマ表面改質

主な試験研究

◆現在取り組んでいる研究の概要はこちらをご覧ください。 (リンク)


  • カーボンニュートラルに貢献する塗料・コーティング材料技術

    • 保護・美観・機能性付与の目的で様々な製品の表面に利用されている塗料・コーティング剤について、低環境負荷かつ耐久性を向上させる研究を行っています。
    • これまでに、バイオマス素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を利用して耐候性を向上させる、水性コーティング材料の技術開発に成功しています。

カーボンニュートラルに貢献する塗料・コーティング材料技術の
チラシはこちら
(1403KB; PDFファイル)

  • 表面変質層を利用したステンレスの長寿命化技術

    • 熱処理では機械的特性の向上が難しいオーステナイト系ステンレス鋼に対し、切削条件で制御した表面変質層により長寿命化を図る研究を行っています。
    • これまでに、切削条件を選択することで表面変質層の状態を制御できること、表面変質層を利用することで、疲労寿命の向上が可能であることを明らかにしました。また、オーステナイト系ステンレス鋼の弱点である応力腐食割れの抑制にも寄与することを明らかにしました。

表面変質層を利用したステンレスの長寿命化技術開発のチラシはこちら (1990KB; PDFファイル)

  •  大気圧プラズマ表面処理技術

    • 真空装置を用いずに、大気圧下で材料表面に成膜する技術を用いて、低コストで部品等に機能性(低摩擦性・耐傷性・紫外線遮断性等)を付与する研究を行っています。
    • これまでに、プラズマ発生部の構造や成膜機構の検討を行い、大気圧下で非晶質炭素膜の形成が可能となりました。(DLC:ダイヤモンドライクカーボンは非晶質炭素膜に含まれます)
      また、膜の膜厚や化学構造、硬さ等の評価が可能となりました。

大気圧プラズマ表面処理技術の写真

大気圧プラズマ成膜技術のチラシはこちら (607KB; PDFファイル)

主な設備機器

◆詳細は設備機器利用のページをご覧ください (リンク)

  • 表面観察(走査電子顕微鏡、レーザー顕微鏡、デジタルマイクロスコープ)
  • X線透過観察(高出力タイプ、マイクロフォーカスタイプ)
  • 元素分析(蛍光X線分析、走査電子顕微鏡+EDS)
  • 分子構造解析(赤外分光分析、ラマン分光分析)
  • 結晶構造解析(走査電子顕微鏡+EBSD)
  • 環境試験機(温湿度サイクル、塩水噴霧、複合サイクル、促進耐候性 【New】
  • 材料強度試験(500kN、250kN、5kN)
  • 硬さ試験(マイクロビッカース、ブリネル、ロックウェル)
  • 疲労試験(軸荷重)
  • 摩擦摩耗試験(ボールオンディスク)

研究会(技術ワークショップ事業)

  • ものづくり基盤技術研究会 (リンク)
    • 材料技術、分析評価技術、品質工学、溶接技術、 射出成形技術などに関して、技術講習会や実技講習会による技術の向上や新技術に関する講演会などにより、ものづくり企業の技術支援を行っています。

このページに関するお問い合わせ

材料環境部 TEL:0952-30-8163

技術的なご相談はこちら